現在、弥平唐辛子を使用した商品を展開されている f.m.craic 様のご支援をさせていただいています。代表の釘田社長は、事業承継を経てこの事業を引き継がれた方で、笑顔のあたたかさと、人と地域を大切にされる素晴らしいお人柄の社長様です。弥平唐辛子という地域の貴重な資源に、真摯に向き合い、次世代へつないでいく。その姿勢に、いつも強く共感しています。

今回は、看板商品のひとつである「ソース」の商品改良に携わっています。
ソースという商品の中には、実は小さな工夫とバランスがぎゅっと詰まっています。粘度の調整、香りの立ち方、素材のもつ酸味・甘み・旨味の出し方、煮込みの時間によるコクの深まり、そして製造スケールが変わった際にも品質をぶらさない再現性。
どれかひとつが強すぎても弱すぎても、全体の調和は崩れてしまいます。

改良に取り組むとき、まず最初に行うのは「原因を探すこと」。
何が味のバランスを乱しているのか、どの工程でとろみが強くなりすぎているのか、香りが飛びやすいポイントはどこか。
そのためには、製造工程を一つずつ丁寧にほどき、まるで糸をたぐるように理由を追っていくことが必要です。

「ここが悪い」と言い切れることは、実はそれほど多くありません。
多くの課題は、いくつかの小さな要素が組み合わさって起きています。
だからこそ、材料の声に耳を澄ませ、加熱の状態、休ませる時間、混ぜ方、温度変化、すべてを丁寧に観察していきます。

そして、改良の糸口が見えたとき。
味が一段階ふくよかになったとき。
香りがすっと立ち上がったとき。
粘度が狙ったラインに収まったとき。
その瞬間は、本当に胸が熱くなります。

商品開発に携わり、気がつけば20年。
「ものづくりはおもしろい」
これは今でも変わらない、そしてきっとこれからも変わらない私の原点です。

素材と向き合うことは、人と向き合うことにも似ています。
焦らず、決めつけず、じっくり対話すること。
その積み重ねが、商品に命を吹き込み、ブランドの個性となり、誰かの「おいしい瞬間」につながっていきます。

これからも、弥平唐辛子のおいしさと魅力を、多くの方にお届けできるよう、丁寧なものづくりを共につくってまいります。

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